徹底分析シリーズ 筋弛緩モニタリング リターンズ!
コラム:感知方法のスタンダードは何か
高木 俊一
1
Shunichi TAKAGI
1
1日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野
pp.458-459
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201380
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最初の主役はMMG
電位感知型筋弛緩モニターelectromyography(EMG)から始まった臨床における筋収縮モニターは,幾多の輪廻を重ねている。筋収縮を感知する方式のゴールドスタンダードは,筋の収縮を力トランスデューサでとらえる「力感知式」である。筋弛緩モニターに関する刺激方法を含めた基礎研究,安全性を評価する方法の検討など,蓄積されたデータの多くは力感知型筋弛緩モニターmechanomyaography(MMG)によるものである。
EMGが筋弛緩モニタリングの初期にゴールドスタンダードとならなかったのは,数mVという微弱な電位変化をとらえてインピーダンスを変換し,約100万倍(120dB)に増幅させ,フィルターを通してノイズから分離して記録する,ということが難しかったからである。複雑な解析システムのために,その当時は必要機器がとても大きかった(図1)。これに対してMMGは,セットアップこそ大変ではあるが,力はトランスデューサで容易にとらえることができ,ノイズのない電気信号に変換しやすいことが有利に働いた。そして,MMGは筋収縮センシングのゴールドスタンダードとなり,一世を風靡した。
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