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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Barkun A, Bardou M. Proton-pump inhibitor prophylaxis in the ICU-benefits worth the risks? N Engl J Med 2018;379:2263-4.
Article:
Krag M, Marker S, Perner A, et al. Pantoprazole in patients at risk for gastrointestinal bleeding in the ICU. N Engl J Med 2018;379:2199-208.
■集中治療患者におけるストレス潰瘍
集中治療患者に生じるストレス潰瘍や消化管出血などのストレス関連粘膜障害は,内視鏡による診断によれば3日以上の集中治療室(ICU)入室で90%以上にもなると報告されている。ストレス潰瘍による臨床的に重大な消化管出血は3〜6%に起こると報告されている。ストレス潰瘍の予防には,経腸栄養,スクラルファートなどの胃粘膜保護薬,ヒスタミンH2拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)が用いられている。
PPIは胃酸分泌を抑制するので潰瘍の治療に用いられており,ストレス潰瘍や消化管出血のリスクがあるICU患者に,ストレス潰瘍の予防目的でもしばしば使用されている。しかし,人工呼吸患者にPPIを投与してもストレス潰瘍の予防効果はなく,院内肺炎やClostridium difficile感染の発症率が上昇したり,心筋虚血発症率が上昇したという報告もある。米国食品医薬品局(FDA)は,PPIをストレス潰瘍の予防薬としては認可していない。
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