徹底分析シリーズ 術前診察 基本の「き」
巻頭言
髙田 真二
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.409
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201096
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- 文献概要
4月。全国で多くの麻酔科専攻医が新たに私たちの仲間に加わってくれました。これからの長い麻酔科医人生の礎となる基本の「き」をしっかり学んでほしいという思いから,テーマは術前診察です。
「麻酔は術前診察から始まる」といわれます。複数の併存疾患をもつ重症患者の手術が増加するなかで,手術患者の安全を守るために,的確な術前診察の重要性がますます高まってきています。「周術期管理センター」「術前外来」などの組織化されたシステムのなかで術前診察を行う施設も徐々に増えてきましたが,そのようなシステムが必ずしもすべての麻酔科専攻医に提供されるとは限りません。システムの有無にかかわらず,専攻医が修得すべき術前診察の基本の「き」は共通です。本特集では,現時点ではまだ多数派と思われる,術前診察がセンター化されていない施設で専門研修を始める新人麻酔科専攻医を念頭に,質の高い術前診察を行うための要点を解説しました。
明日の術前診察からすぐに使える有益な情報が満載ですが,単なるknow-howの修得で終わらず,各執筆者がその背景に込めた術前診察の「哲学」まで感じ取ってもらえることを企画者として願っています。術前評価で判明したリスクへの対応が焦点となった今月号の「症例カンファレンス」と併せて読んでいただければ,より理解が深まるものと思います。
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