徹底分析シリーズ 続 未来への麻酔科学教育
巻頭言
髙田 真二
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.1
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102014
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- 文献概要
筆者が当施設の麻酔科初期研修の実質的責任者となってから10年が経過した。この10年間,常に考えてきたのは,麻酔科学の魅力・重要性をいかにして彼らに伝えるか?ということだった。各科へ巣立つ研修医に,麻酔科的な臨床の考え方(患者の利益第一,チーム医療,患者安全)を身に付けてほしい。どの科の医師になっても必ず必要になる臨床医としての土台を麻酔科の研修を通して修得してほしい。そういう思いで,将来の専攻科に関係なく,すべての初期研修医に向き合ってきた。ここで築いた人間関係は,その後も役立っている。外科系に進んだ者とは今でも頻回に手術室でともに仕事をするが,円滑なコミュニケーションが可能で,術後のICU管理などでも互いに働きやすい環境が維持されている。
前号で,各施設の臨床実習を紹介したが,今後の教育カリキュラムの改革はどこへ向かうべきなのか。今月号では,医学教育国際認証の基準を紹介し,さらに研修を受けた側の声に耳を傾けたい。前号と今月号によって,医学教育のたゆみない改革の流れが生まれることを願っている。優れた医療人の育成を通して,わが国の医療・医学の発展に寄与するために。
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