症例検討 泌尿器科手術1
巻頭言
髙田 真二
1
1帝京大学医学部 麻酔科学
pp.481
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101826
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- 文献概要
手術患者全体の高齢化が進む昨今,「泌尿器科手術=高齢ハイリスク患者の代表」という図式も,今は昔となった。近年の泌尿器科手術の特徴を一言で表せば,新しい術式の導入と適応拡大であろう。腹腔鏡下泌尿器科手術は,副腎から始まり,腎・前立腺・膀胱へと広がった。ロボット支援手術は,腹腔鏡下前立腺全摘除術から始まり,他科の骨盤内手術へと,今まさに拡大せんとしている。これらの手術は「手術時間が長い,無理な体位をとる」など,手術中は患者にとって(麻酔科医にとっても?)決して「低侵襲」ではないが,周術期全体でみれば低侵襲性は明らかであり,今後さらに普及するものと思われる。
このような泌尿器科手術の最新情報について,まず術者の立場から総論的解説をお願いした。術者の要望を理解し,これらの術式が長期的には患者の利益になることを認識して,麻酔科医としても術中管理に取り組みたいものである。
総論に続き,今月号では,腹腔鏡下の腎摘除術と,副腎摘除術(褐色細胞腫,原発性アルドステロン症)の麻酔管理を論じていただいた。術式の変化に加え,新しい麻酔薬,循環作動薬,循環モニターなどの開発により,麻酔管理のコツも相応に様変わりしているであろう。老い(?)も若きも,自分の慣れ親しんだ麻酔管理法と比較しながら,お楽しみいただければ幸いである。
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