徹底分析シリーズ Pressure
巻頭言
髙田 真二
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.765
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200345
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- 文献概要
研修医のとき,「麻酔科医は臨床生理学・臨床薬理学の実践家である」と教わりました。生命の要である呼吸や循環の臨床生理では,頻繁にpressureが登場します。今月はこのpressureを切り口に,麻酔科の臨床を見つめ直してみました。
微分方程式を駆使して「圧力とは何か」を論じた冒頭論文は異彩を放っていますが,高校で数学IIIを選択したはずの読者であれば,実はわかりやすい内容です。「気道管理と圧」では,圧と容量の本質にかかわる重要点を確認できます。「体位」は,術中患者の利益の代弁者たる麻酔科医にとって必須の内容です。「腹部コンパートメント症候群」は集中治療の専従医だけでなく,ダメージコントロール手術への切り替えを決断する場合など,手術室の麻酔科医にとっても無関心ではいられないテーマです。そして,外科医に“時間ばかりかかって…”と心の中で不満タラタラ(?)のあなたは,「ラパヘル」を読めば認識が変わるかもしれません。難しい話で疲れた頭には,「高山病」や「潜水病」の予防法をふまえつつ,エギーユ・デュ・ミディや奄美の海を疑似体験してみてください。
一見風変わりな今月の徹底分析を通して,麻酔科臨床の幅の広さを感じとってください。
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