症例検討 予期せぬICU入室 3
抜管後の上気道浮腫—その患者,抜いたらいかんぜよ!
髙田 真二
1
,
曽根 健元
2
Shinji TAKADA
1
,
Takemoto SONE
2
1帝京大学医学部 麻酔科学講座/医学教育センター
2帝京大学医学部 麻酔科学講座
pp.1206-1213
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201019
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症例
62歳の男性。身長168cm,体重65kg。1年前に受けた甲状腺全摘術後に左反回神経麻痺が生じ,保存的に経過を観察していたが改善が認められなかったため,全身麻酔下で披裂軟骨内転術を実施した(予定時間は1時間)。術中のバイタルサインは安定していたが手術時間は2時間に及んだ。手術終了後スガマデクスを投与し,四連反応比(TOFR)>0.9を確認した。患者の覚醒を待っている間に,「思ったよりも時間がかかって侵襲が大きくなったなあ」と手術室の片隅で手術助手の耳鼻科専門医が執刀の耳鼻科医に話していた。10分後,呼びかけに開眼し従命も可能になったので抜管した。抜管後まもなく吸気喘鳴が生じた。用手的気道確保を行ったが喘鳴は改善しない。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は99%を維持している。
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