徹底分析シリーズ 麻酔のリスクマネジメント
気道確保時の合併症予防―マスク換気から抜管までリスクは常に潜んでいるチューブは抜いても気は抜くな
中沢 弘一
1
NAKAZAWA,Koichi
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院 集中治療部
pp.334-339
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102094
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気道確保に伴う合併症は,血圧上昇,咽頭痛,嗄声といった軽度のものから,低酸素症や誤嚥,気道損傷など重篤な転帰をたどるものまで多彩である。気道確保に際して念頭におくべきは,挿管前のマスク換気に始まり挿管から抜管後まで,いずれの場面においても合併症が起こり得ることと,術後時間が経過してから合併症が発症したり発見されたりする場合があることであろう。合併症の多くは,気道確保時および抜管時に十分な評価や対策を講じておくことで,その頻度を減らすことができる。
本稿では,全身麻酔施行時の気管挿管に関連して生じる合併症を中心に,その原因と対処法について述べる。長期気管挿管の合併症については割愛する。
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