徹底分析シリーズ 気道管理の最先端
困難気道を有する患者の術後評価と抜管の実際—抜くべきか 抜かざるべきか 悩むべし
塩田 修玄
1
,
中沢 弘一
2
Nobuhiro SHIOTA
1
,
Koichi NAKAZAWA
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院 集中治療部
2社会医療法人中山会 宇都宮記念病院 麻酔科
pp.622-627
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200606
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抜管は,麻酔科医にとって挿管以上に,きわめてデリケートに扱うべき手技かもしれない。その理由は,常に予期せぬ合併症が生じ得る手技であり,挿管後と違い,その処置後に気道の開存が失われるリスクがつきまとうからである。また,挿管中に抜管後の気道の状態を予測する確実なすべがないためでもある。本稿では,気道管理における締めくくり“抜管”について述べるが,抜管を行う医師にとって必要不可欠なスキルは,単に“挿管できること”にとどまらず,“リスク回避できること”であると先に明言しておく。適切な気道管理の技術をもたない者は抜管を行うべきではないし,どんな挿管の名人でも抜管の可否を見極める目がなければ太刀打ちできない場面が生じ得るのである。
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