徹底分析シリーズ 閉塞性睡眠時無呼吸
OSA患者の術後疼痛管理—オピオイドの弊害が最小となるよう工夫しつつ,酸素化と呼吸数を監視する
小林 由紀
1
,
井上 莊一郎
1
Yuki KOBAYASHI
1
,
Soichiro INOUE
1
1聖マリアンナ医科大学 麻酔学教室
pp.1070-1074
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200991
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閉塞性睡眠時無呼吸obstructive sleep apnea(OSA)の患者では,術後に投与された麻薬性鎮痛薬(オピオイド)や鎮静薬によって呼吸器関連合併症の発生リスクが高まることや,痛みや鎮痛薬に特有な反応を示すことが知られている。そこで術後疼痛管理では,非オピオイド〔アセトアミノフェン,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)〕と区域麻酔の活用が推奨されてはいるものの,OSA患者の急性痛に対する「最適な選択」に関するエビデンスはほとんどない1)。
本稿では,OSA患者の術後疼痛管理では何が問題なのか,OSA患者の痛みや鎮痛薬に対する反応はどのようなものなのかを述べ,術後鎮痛法および患者監視について概説する。
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