徹底分析シリーズ 閉塞性睡眠時無呼吸
OSA患者の術前評価と周術期管理計画—麻酔科医は,重症のOSA患者を半数以上見逃している!
磯野 史朗
1
Shiro ISONO
1
1千葉大学医学部附属病院 麻酔・疼痛・緩和医療科
pp.1058-1063
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200989
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●術前気道評価の目的は何か?なぜ必要なのか?
麻酔科医は,手術を受けるすべての患者に対して術前気道評価を行う。患者に閉塞性睡眠時無呼吸obstructive sleep apnea(OSA)が存在するかどうかは,重要ではあるが術前気道評価の一つの要素にすぎない。つまり,OSAを診断すること自体が目的なのではなく,OSAの存在から周術期気道管理上の問題点を明らかにし,その対応策を決定することが目的なのである。
①全身麻酔を導入してもよいのか,意識下挿管を行うべきなのか,②全身麻酔導入後に両手気道確保によるマスク換気を行うべきなのか,③より成功率の高いビデオ喉頭鏡などによる気管挿管を行うべきなのか,④術後の気道管理はどう行うか,などについて,術前に明確な方針を決定することが最も重要である。
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