症例検討 薬をめぐるトラブル<後編>
モルヒネ投与量の誤り—当たり前が通用しないのも当たり前
辻田 美紀
1
,
北村 晶
1
Miki TSUJITA
1
,
Akira KITAMURA
1
1埼玉医科大学国際医療センター 麻酔科
pp.270-271
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200527
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症例
55歳の女性。身長155cm,体重60kg。変形性関節症に対して右膝関節全置換術が予定された。L2/3から硬膜外カテーテルを挿入した。その後,フェンタニルとプロポフォール,ロクロニウムを用いて麻酔導入。気管挿管を行った。
研修医に「最後に硬膜外からモルヒネ1ミリと0.2%ロピバカイン4ミリを投与しておいてね」と指示をした。10分後に指導医が戻ると,研修医が「モルヒネとロピバカインを投与しておきました」と答えたが,モルヒネの残液がない。硬膜外にモルヒネ1mgではなく1mL,10mg投与したことがわかった。
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