症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 3
巻頭言
稲田 英一
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.373
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200186
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- 文献概要
麻酔を含む周術期管理の安全確保のためには,トラブルや重大な危機を回避することが重要である。そのために,綿密な術前評価と管理,術前の準備,プランAや,プランAがうまくいかない場合のプランB,さらにプランCまで考えた麻酔計画が必要になってくる。それでも,トラブルは起こり得る。今回の症例検討にあるように,麻酔を開始しようにも静脈路確保がうまくいかない,せっかく挿入した動脈カテーテルの波形が出なくなった,BIS値が急上昇したといった,手技やテクノロジーに関係したトラブルもあれば,術中に脳動脈瘤が破裂したといった,手術手技にかかわるトラブルもある。重大な危機を防ぐためには,トラブルの早期発見と,的確な対処が必須である。常に最悪の状況を考えて対処するという姿勢も重要である。自分なりのトラブル対処アルゴリズムを作るつもりで,本症例検討を読んでいただきたい。
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