特集 私のコツ教えます(前編)
全身麻酔中の気管挿管された患者における胃管挿入
池野 重雄
1
1諏訪赤十字病院 麻酔科
pp.370-371
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200185
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胃管挿入は地味だけど怖い
胃管挿入法は,気管挿管法や中心静脈カテーテル挿入法などと比較すると注目されることは少なく,比較的地味なテーマである。しかし,咳反射が減弱した患者,鎮静または気管挿管された患者など,ハイリスク患者では,胃管挿入は時として困難で,位置異常による重篤な合併症,例えば,気管を経由した胸腔内留置や血管内留置などが報告1)されている。胃管挿入は地味だけど怖いのである。
胃液が吸引されることや,空気を注入して心窩部でボコボコと音がすることを確認できれば,胃管の位置異常は避けられると思われがちである。しかし,このような確認をしたのに,胃管が胸腔内に挿入されていた症例が報告1)されている。結果的に,この症例で聞こえた音は胸水中に空気を入れた音であり,吸引された液体は胸水だった。
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