徹底分析シリーズ 症例検討 産科出血は怖くない!(後編)
巻頭言
角倉 弘行
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.769
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102198
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- 文献概要
6月号の「産科出血は怖くない!(前編)」では,産科出血の原因を早めに鑑別して対処する方法を解説した。すなわち,小火が大火事になる前にしっかり対処できれば,産科出血で怖い思いをすることは滅多にないはずである。しかし,いくら適切に対処しても,時には火の回りが早く,あっという間に大火事になってしまうこともあるだろう。このような状況で麻酔科医がなすべきは,もてる戦力を最大限に活用し,被害を最小限に食い止めるべく,現場を適切に指揮し,効率的に対処することである。そこで今月号の「産科出血は怖くない!(後編)」では,産科危機的出血に際して麻酔科医がチームのコマンダーとしてどのような行動をとるべきかを,検討した。このような総力戦では,取り得る戦略は施設ごとに大きく異なる。施設による対応の違いも読み取っていただきたい。 「火事場の馬鹿力」という言葉があるが,普段から周到な準備をしていれば馬鹿力に頼らずとも,多くの危機は乗り越えられるはずである。本特集をきっかけに,明日にでも起こり得る産科危機的出血に対する周到な準備を始めていただきたい。
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