徹底分析シリーズ 産科出血は怖くない!
コマンダーとしての麻酔科医に必要なIVRの知識―臨床現場の流れはどうあるべきか?
ウッドハムス 玲子
1
,
西巻 博
2
,
奥富 俊之
3
WOODHAMS,Reiko
1
,
NISHIMAKI,Hiroshi
2
,
OKUTOMI,Toshiyuki
3
1北里大学医学部 放射線科学画像診断学
2聖マリアンナ医科大学 外科(心臓血管外科)
3北里大学医学部 麻酔科学
pp.776-780
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102200
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放射線科医として予防的interventional radiology(IVR)*1併用の帝王切開に立ち会い1),子宮筋層を切開した途端に羊水と混じった血液がわき出てくる光景には,足がすくむような恐怖と不安を覚える。もちろん通常の帝王切開では,麻酔科医は,慌てず患者の循環動態の把握,維持を行い,産科医は出血をものともせず,胎盤の処理や筋層縫合を迅速に行い,出血はまもなく沈静化する。しかし,このわき出るような出血が持続すれば,患者の生命は急激に危機に直面し,医療チームは麻酔科医をコマンダーとする非常事態態勢をとる。このときこそダメージコントロールIVR*2が真価を発揮し,患者救命に大きな役割を果たす。そしてダメージコントロールIVR施行を指示するのは,コマンダーたる麻酔科医なのである。
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