症例検討 産科出血は怖くない!
コマンダーとしてどのように行動すべきか?―役割分担と指揮命令系統を明確に
角倉 弘行
1
,
伊藤 陽介
2
Hiroyuki SUMIKURA
1
,
Yosuke ITO
2
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
2順天堂大学医学部 産婦人科学講座
pp.782-785
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102201
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症例 35歳(3経妊0経産),骨盤位の診断で帝王切開術が予定された。術前に特記すべきリスクはなく,麻酔は後期研修医のA医師と麻酔科専門医のB医師の2名が担当した。脊髄くも膜下麻酔を導入してから10分後に手術を開始し,執刀開始から4分後に無事に児を娩出した。B医師は4Ts(表1)がないこと,すなわち児を娩出後に胎盤がきれいに剝がれたこと,子宮収縮が十分なこと,創部からの出血がコントロールされていること,凝固異常がないことと,ショックインデックス(SI)が1以下であることを確認して手術室を離れた。その10分後に,B医師はA医師から収縮期血圧が80mmHg以下になったとPHSで呼ばれた。
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