徹底分析シリーズ 周術期の凝固・線溶系の管理
凝固・線溶のメカニズム―「試験管内」と「生体内」の反応は大きく異なる
内場 光浩
1
Mitsuhiro UCHIBA
1
1熊本大学医学部附属病院 輸血・細胞治療部
pp.222-227
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101767
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閉鎖循環系をもつヒトは,出血に対して素早く反応する凝固系を発達させてきた。手術を含む血管損傷時に,すみやかに止血反応を起こす機構がある一方で,凝固反応を出血部に限局するための機構も存在している。また,外傷時には感染症の合併も同時に起こり得るため,凝固系と,感染症を含む炎症病態は,互いに深く関連している。
さらに血栓は,損傷部位の治癒に応じて除去される。これが線溶反応であるが,血栓の除去が早すぎると出血し,除去されないと血栓症となる。このため,線溶系の緻密な制御機構が存在する。
周術期には,凝固・線溶系の理解のもとに,止血管理を行う必要がある。
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