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第5土曜特集 止血・血栓・凝固の最新知見――研究と臨床を繋ぐ
血栓止血関連検査
線溶因子の機能と検査
Fibrinolytic factors and related laboratory tests
内場 光浩
1
Mitsuhiro UCHIBA
1
1熊本大学病院輸血・細胞治療部
キーワード:
プラスミン
,
プラスミノゲンアクチベータ(PA)
,
プラスミノゲンアクチベータインビビター(PAI)-1
,
α2-アンチプラスミン(α2-AP)
,
トロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)
Keyword:
プラスミン
,
プラスミノゲンアクチベータ(PA)
,
プラスミノゲンアクチベータインビビター(PAI)-1
,
α2-アンチプラスミン(α2-AP)
,
トロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)
pp.653-658
発行日 2025年8月30日
Published Date 2025/8/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294090653
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線溶反応はフィブリンの分解反応であり,プラスミンによるフィブリン分解がその中心的役割を果たしている.凝固反応に比較し,線溶反応に関与する因子は少ないが,巧妙に制御されている.生理的状態ではプラスミンはフィブリン血栓表面で効率よく産生され,フィブリン表面でのみ作用する.一方,流血中などでは速やかにプラスミンは不活化される.これらの線溶反応の制御に関与する因子としては,プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)-1,α2-アンチプラスミン(α2-AP)およびトロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)があり,それぞれ異なる部位,適切な速度で,空間的・時間的に制御されている.線溶系の検査では線溶活性化や線溶制御能の低下は評価できるが,線溶反応の抑制や線溶制御の過剰状態などの評価は困難である.

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