測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
血液の凝固と線溶
藤巻 道男
1
,
加藤 正俊
1
1東京医大臨床病理
pp.413-416
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201073
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血液は生体内においては循環し,その流動性は保っているが,血管損傷あるいは採血などによっていったん血管外に出ると生理的な動的平衡がくずれて,血液は一定時間内に凝固して流動性を失う.しかし凝固過程に異常が存在する場合には凝固が起こらなかったり,凝固に要する時間が遅延して出血性素因の一因となる.また血管の病変などによって血管内に血栓が形成されると,凝固因子は消費されて低凝固性となり,また生体の防衛反応として血栓を溶解しようとするフィブリン溶解(二次線溶)や,何らかの機転によってフィブリノゲン溶解(一次線溶)などの線溶が亢進したりすると,生理約な動的平衡がくずれて出血傾向が誘発される.
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