徹底分析シリーズ 周術期の凝固・線溶系の管理
検査データの読み方―凝固能検査だけで完全に診断することは困難,臨床症状との比較を必ず行う
阪本 浩平
1
,
香取 信之
1
Kohei SAKAMOTO
1
,
Nobuyuki KATORI
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.228-233
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101768
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凝固系と線溶系は絶妙なバランスを保つことで,出血と凝固を制御している。しかし,周術期は出血を契機として,このバランスが破綻しやすく,凝固が優位となれば過凝固から血栓症へ,線溶が優位となれば出血へと傾く。どのような病態になるかは,凝固系と線溶系のどちらが優位になるかによって異なるが,播種性血管内凝固disseminated intravascular coagulation(DIC)のように,凝固・線溶系のバランスがまったく異なる病態が,一つの病態名のなかに存在することもある。
患者の病態を理解するためには,個々の検査の意味を正確に理解し,凝固・線溶系検査の結果を総合的に評価することが重要である。
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