今月の主題 新しい糖尿病の臨床
トピックス・病態
凝固線溶系
阿部 恒男
1
1東医歯大第2内科
pp.514-516
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207830
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はじめに
真性糖尿病(DMと略す)は,インスリン作用不足による代謝異常と特徴的な細小血管症をきたす疾患であるが,近年,食事療法や運動療法の普及,インスリンをはじめとする治療薬物の登場などによって,代謝異常の是正は容易になってきている.
一方,最近のDMの死因をみると,血管合併症によるものが約70〜80%を占め,その大多数は血栓形成によるといわれている.血管内血栓形成は,血小板を含めた血液性状と血管壁の相互関係によって発生することが知られており,DMの凝固線溶系の病態像を解明することは,DMの血管合併症の発生,ないしは進展の防止と治療方法の確立に重要な意義がある,そこで木稿ではDMの血液凝固-線溶系について,自験例を含めて述べてみたい.
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