徹底分析シリーズ 周術期の凝固・線溶系の管理
巻頭言
松田 直之
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野
pp.221
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101766
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- 文献概要
近年,周術期を含めて,全身性炎症の病態が,きわめて深く理解されてきています。こうした潮流のなかで,麻酔科医も,「周術期の血液凝固・線溶系の管理」を見直す必要が出てきています。
そこで今回は,まず基礎的な知識を整理するために,「凝固・線溶のメカニズム」と「検査データの読み方」をまとめました。そのうえで,最近の話題として,SIRSが血液凝固・線溶系に及ぼす影響,新しい抗血小板薬やブリッジング療法,さらに術後血栓症対策として,トロンビン阻害薬ダビガトランのRE-LY試験や,FXa阻害薬リバーロキサバンのROCKET AF第Ⅲ相試験などを紹介しています。
一方で,麻酔科医は術中に,線溶亢進に対処することも必要になります。そこで役立つのが,抗プラスミン療法です。日本発の抗プラスミン薬の臨床使用の実際を紹介しています。さらに,臨床で威力を発揮する検査ツールROTEMとHEPCONの使用法も解説しました。
本徹底分析は,周術期における血液凝固・線溶系を見つめ直す特集です。ぜひ,ご堪能ください。
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