症例検討 高齢者の大腿骨頸部・転子部骨折
認知症の疑いのある患者:医師としての裁量権の発揮を忘れるな
越後谷 雄一
1
Yuichi ECHIGOYA
1
1名古屋徳州会総合病院 麻酔科
pp.60-63
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100572
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症例
85歳の女性。身長140cm,体重40kg(推定)。老人ホームで転倒,受傷した。
ネイルによる内固定術が予定された。採血の際,看護師に対し暴力をふるった。術前回診に病棟を訪れると,大声で誰かの名前を呼んでいた。問診を始めたが,耳が遠く,会話が成立しない感じである。老人ホームのヘルパーの話だと身寄りもないという。
【経過】術後,病棟にて酸素2L/minを24時間投与するよう指示しておいたが,患者が酸素マスクを嫌がり,勝手に外してしまっていた。夜間になって患者は支離滅裂な独り言を発し,錯乱状態となった。
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