Japanese
English
特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦
Ⅱ.分子標的治療の確立を目指して
タウ凝集を標的にした認知症治療
Tau aggregation:target for dementia treatment
高島 明彦
1
,
添田 義行
2
Takashima Akihiko
1
,
Soeda Yoshiyuki
2
1学習院大学理学部生命科学科
2福島県立医科大学医療研究推進センター
キーワード:
タウオリゴマー
,
顆粒状タウオリゴマー
,
神経原線維変化
,
神経細胞死
,
シナプス消失
Keyword:
タウオリゴマー
,
顆粒状タウオリゴマー
,
神経原線維変化
,
神経細胞死
,
シナプス消失
pp.303-308
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200458
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アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)ではアミロイドβ(amyloid β;Aβ)蓄積,神経原線維変化と呼ばれる神経細胞内でのリン酸化タウの蓄積が特徴的な病理像とされている。Aβ蓄積はアルツハイマー病に特異的に存在し,神経原線維変化はアルツハイマー病を含む前頭側頭葉認知症など多くの認知症で観察されタウオパチーと総称される。
ADの根本治療薬としてAβ産生抑制,老人斑除去の治験が行われたが,老人斑が除去されても認知症進行を抑制できないことから,認知症発症のかなり前段階で治療を開始する予防薬(先制治療薬)としての開発が行われている。このことは,AβはADの発症要因ではあるが,認知症を引き起こす直接の原因ではなく,脳老化を加速する修飾因子として作用していることが示唆される。
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