今月の主題 認知症の動的神経病理
各論
タウ蛋白蓄積=タウオパチー
齊藤 祐子
1,2
Yuko SAITO
1,2
1東京都老人医療センター剖検病理科
2東京都老人総合研究所高齢者脳ゲノム・高齢者ブレインバンク
キーワード:
ガリアス・ブラーク染色
,
神経原線維変化
,
嗜銀顆粒
Keyword:
ガリアス・ブラーク染色
,
神経原線維変化
,
嗜銀顆粒
pp.1121-1129
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100730
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タウオパチーとして最も頻度の高いのはアルツハイマー病で,βアミロイド沈着に続きタウオパチーが生じ,神経細胞死と関連するという,アミロイドカスケーディング仮説が有力である.一方,1997年,タウ蛋白遺伝子異常によりタウオパチーが生じ,神経変性の一義的原因となりうることが明らかとなった.タウオパチーは,特殊鍍銀染色や免疫染色を施さないと評価が難しい.高齢者では,タウオパチーの頻度が高くなり,臨床病理学的に重要であるので,われわれは,嗜銀顆粒性疾患,神経原線維変化優位型疾患,進行性核上性麻痺,皮質基底核変性症を特に高齢者タウオパチーと総称している.〔臨床検査 50:1121-1129,2006〕
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