特集 アルツハイマー病の根本治療に向けた研究最前線
アルツハイマー病におけるTauタンパク質の役割
高島 明彦
1
1国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部
キーワード:
Alzheimer病
,
Amyloid Beta Peptides
,
シナプス
,
凝集
,
疾患モデル(動物)
,
神経変性
,
トランスジェニックマウス
,
リン酸化
,
Tau Proteins
,
神経原線維変化
,
アミロイド斑
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Agglutination
,
Disease Models, Animal
,
Nerve Degeneration
,
Mice, Transgenic
,
Phosphorylation
,
Synapses
,
Amyloid beta-Peptides
,
Neurofibrillary Tangles
,
tau Proteins
,
Plaque, Amyloid
pp.1135-1138
発行日 2012年9月22日
Published Date 2012/9/22
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Tauタンパク質はアルツハイマー病( AD)脳で見られる病理学的特徴の 1つである神経原線維変化( NFT)の主要構成成分である. NFTを形成する過程で Tauの凝集に伴い,シナプス消失,神経細胞脱落が生じるため, NFTを生じる部位では神経機能の低下が起きている. NFTは嗅内野から始まり大脳辺縁系,新皮質へと拡大する.この NFTの進行が記憶障害から始まり,認知症を引き起こす ADの臨床症状をよく説明する.このことから Tau凝集阻害が ADの病態進行を阻止する治療薬となることが期待されている.
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