特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
7.疾病
ヒトゲノムコピー数多型
油谷 浩幸
1
Hiroyuki Aburatani
1
1東京大学先端科学技術研究センターゲノムサイエンス分野
pp.472-473
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100563
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ヒトゲノム配列が解読され,SNPをはじめとする多様性が明らかにされつつあるなかで,ゲノム構造変異,とりわけゲノムコピー数多型(copy number variation;CNV)1)が注目を浴びており,疾患との関連についても解析が進行中である。ゲノム構造変異が形成されるプロセスについては,segmental duplicationという遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象が以前より知られており,原因としては,遺伝的組換えの異常,レトロトランスポゾンの転移,染色体全体の重複などが想定されている。ヒトゲノム多様性さらにゲノム進化とCNVについて,遺伝子重複とトランスポゾンの関与を中心に考えてみたい。
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