Japanese
English
特集 コピー数変異
コピー数多型とその解析
Copy number variation and its analysis methods
石川 俊平
1
,
梅田 高呂
2
Shunpei Ishikawa
1
,
Takayoshi Umeda
2
1東京大学大学院 医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野
2東京大学 先端科学技術研究センター
pp.514-522
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101235
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
通常,ヒトの細胞には両親から1コピーずつ継承した2コピーの遺伝子を持つと考えられてきた。コピー数多型(copy number variation;CNV)は,ときには遺伝子をまるごと含むような~Mbp程度の大きな領域において,個体によっては1コピー(欠失),3コピーやそれ以上(重複)といったような数の変動がみられる多型である(図1)。がんにおけるコピー数の異常のような体細胞変異とは区別され,基本的に遺伝性,先天性のものを指す。SNPと同様に,疾患のリスクや薬剤応答性といった個人の体質差を生みだす一因とされ,マイクロアレイやその他のデバイスを用いたゲノムワイドな,またターゲットを絞った臨床診断への応用も拡がりつつある。並列型シーケンサによるより高精度の解析法の普及とともに,より拡張されたSV(structural variation:構造多型)と同時に取り扱われる報告も増えてきた。本稿では解析技術の進歩とともに変遷してきたCNVの概要,発生メカニズム,ヒト疾患・形質とのかかわりについて紹介する。
Copyright © 2011, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.