特集 慢性腎臓病大全—“困った”に応える診療アップデート
【さまざまな疾患とCKD】
❸血液疾患とCKD
前川 翔平
1
,
山本 伸也
1
,
柳田 素子
1
1京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学
キーワード:
慢性腎臓病
,
CKD
,
多発性骨髄腫
,
MM
,
M蛋白関連腎症
,
MGRS
,
monoclonal gammopathy of renal significance
,
アミロイドーシス
Keyword:
慢性腎臓病
,
CKD
,
多発性骨髄腫
,
MM
,
M蛋白関連腎症
,
MGRS
,
monoclonal gammopathy of renal significance
,
アミロイドーシス
pp.264-268
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360030264
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CASE
患者:58歳、女性。
現病歴:下腿浮腫と尿の泡立ちを認めたため近医を受診したところ、Cr 0.78mg/dL、血清蛋白7.3g/dL、Alb 2.7g/dL、LDL-C 363mg/dL、IgA 456mg/dL、尿蛋白10.5g/gCrとネフローゼを認めた。専門医で精査を行ったところ、血中・尿中免疫電気泳動でM蛋白(IgAκ陽性)を認め、血清遊離軽鎖(FLC)比が18.5と高値であった。骨髄生検では形質細胞は2.4%と軽度上昇にとどまり、骨髄腫の診断には至らなかった。腎生検では糸球体内にCongo red染色陽性で、好酸性の無構造物質の沈着を認めた(図1a)。電子顕微鏡検査では細線維構造が確認され(図1b、c)、腎アミロイドーシスと診断した。ALアミロイドーシスとしてDCyBorD療法(ダラツムマブ+シクロホスファミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン)を7コース施行後、自家造血幹細胞移植を施行した。
治療開始後からM蛋白は消失し、経時的に尿蛋白は減少した。腎機能の悪化はなく、22カ月後には完全寛解に至っている。FLC比、低アルブミン血症、高IgA血症はいずれも正常化している。

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