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今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
多発性骨髄腫における遺伝子異常
Genetic abnormalities in multiple myeloma
黒田 純也
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科血液内科学
キーワード:
多発性骨髄腫
,
MM
,
遺伝子異常
,
染色体異常
,
クローン性進化
,
バイオマーカー
Keyword:
多発性骨髄腫
,
MM
,
遺伝子異常
,
染色体異常
,
クローン性進化
,
バイオマーカー
pp.832-837
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202078
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Point
●多発性骨髄腫(MM)の病態形成,疾患進行と治療抵抗性獲得は,多種多様な染色体や遺伝子異常の多段階獲得によるクローン性進化とサブクローン形成による.
●MMの病態形成において,分子細胞遺伝学的異常はNF-κB経路,RAS/ERK経路などのシグナル経路活性化や細胞周期制御,DNA修復,転写制御,RNAエディティング,ヒストン修飾,小胞体ストレス反応,蛋白翻訳などに多様な効果をもたらす.
●MMにおける分子細胞遺伝学的異常プロファイルは,症例ごとの相違が大きいのみならず,1症例内でもサブクローン間での相違が大きく,不均一である.
●t(4;14)やt(14;16),17番染色体短腕欠失,1番染色体長腕増多などの染色体異常,TP53遺伝子異常などの分子細胞遺伝学的異常は予後不良バイオマーカーとなる一方,治療薬選択の指標ともなる.
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