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二次出版:重症心身障害児(者)の四肢長管骨骨折発生の危険因子—6年間の追跡調査
A Risk Factors for Long Bone Fractures in Patients with Severe Motor and Intellectual Disabilities : A 6- year Follow-up Retrospective Study
萩野 哲男
1
,
落合 聡司
1
,
千賀 進也
1
,
山下 隆
1
,
齋藤 正憲
1
,
若生 政憲
2
,
谷口 直史
2
,
安藤 隆
2
,
波呂 浩孝
2
1国立病院機構甲府病院整形外科
2山梨大学医学部整形外科
キーワード:
骨折
,
重症心身障害
,
危険因子
Keyword:
骨折
,
重症心身障害
,
危険因子
pp.662-668
発行日 2024年7月18日
Published Date 2024/7/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 背景:当院の重症心身障害児(者)病棟に入院中の患者に発生した骨折の実態を調査し,介護上問題となる四肢長管骨骨折発生の危険因子について検討した.
方法:当院の重症心身障害児(者)病棟に入院している126例の患者について,2015年4月〜2021年3月に発生した骨折の部位,発生頻度,受傷原因などを後ろ向きに調査した.さらに四肢長管骨骨折の危険因子を明らかにする目的で,年齢,性別,骨折発生前の体位,運動機能,摂食状況,BMI,抗てんかん剤服用,単純X線像による股関節脱臼,肘・膝関節の最大伸展角度ならびに関節可動範囲を骨折例と非骨折例で統計学的に比較した.
結果:126例中28例(22%),延べ35骨折が発生し,四肢長管骨骨折は17例19骨折であった.四肢長管骨骨折発生を目的変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果では,年齢(Odds Ratio:OR=1.087,p=0.008),肘関節最大伸展角度(OR=1.039,p=0.023),肘関節可動範囲(OR=0.940,p=0.003),膝関節可動範囲(OR=0.972,p=0.034)で有意差をみた.
まとめ:重症心身障害児(者)の骨折発生には高年齢と肘・膝関節の屈曲拘縮が危険因子であることが明らかとなった.

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