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特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第2章 疾患病態別の誤嚥性肺炎予防
重症心身障害児(者)
Severe Motor and Intellectual Disabilities
田中 総一郎
1
Soichiro Tanaka
1
1医療法人財団はるたか会あおぞら診療所ほっこり仙台
キーワード:
重症心身障害
,
唾液の誤嚥
,
まとまり食
,
スピーチバルブ
,
誤嚥防止術
Keyword:
重症心身障害
,
唾液の誤嚥
,
まとまり食
,
スピーチバルブ
,
誤嚥防止術
pp.673-681
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070673
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内容のポイント Q&A
Q1 重症心身障害児者に特徴的な摂食嚥下障害とは?
未熟な摂食嚥下機能による誤嚥や,筋緊張異常から生じる胸郭変形や成長期に進行する側弯による摂食嚥下障害が特徴的である.咀嚼運動の発達の初期段階で滞り,開口したまま嚥下する,食塊を丸呑みすることがよくみられる.咀嚼運動を促す摂食介助手技が重要である.
Q2 呼吸障害から摂食嚥下障害が生じることがある?
重症児者に特有な気道病変,喉頭軟化症や閉塞性上気道呼吸障害により,努力性吸気とともに食べ物や唾液が気管内へ誤嚥されたり,胸腔内の陰圧と腹腔内の陽圧から胃食道逆流が惹起されることがある.
Q3 成長と加齢による機能変化は?
成人ではあまりみない重度な側弯や胸郭変形を伴うことが多い.側弯により,嚥下障害と呼吸障害が進行し,胃液の誤嚥等により強い消化器症状と呼吸器症状を呈することがある.成長と加齢により生じる病態は,摂食嚥下障害と呼吸障害が関連して進行する.
Q4 誤嚥性肺炎に対する治療で優先すべきことは?
子どもは常に成長・発達する存在である.誤嚥性肺炎の対策として経口摂食中止を選択する前に,まとまり食やペースト食のような食形態や食事するときの姿勢の工夫を行う.唾液の誤嚥に対しても,喉頭気管分離術等の手術療法の前に,薬物療法,持続吸引やスピーチバルブ装着を試みる.
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