Japanese
English
特集 障害児の成長・加齢に伴う問題点
重症心身障害児者
People with severe motor and intellectual disabilities.
井手 秀平
1
Shuhei Ide
1
1東京都立東部療育センター小児科
1Department of Pediatrics, Tokyo Metropolitan Kita Medical and Rehabilitation Center for the Disabled, Jyonan Branch Office
キーワード:
重症心身障害
,
加齢
,
機能低下
,
予防
Keyword:
重症心身障害
,
加齢
,
機能低下
,
予防
pp.813-819
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110614
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はじめに
重症心身障害児(者)(以下,重症児者)は脳障害としては進行していない場合が多いが,実際には脊椎側彎症,嚥下障害,呼吸障害などが年齢とともに進行する.重症児者医療は,嚥下障害や呼吸障害などへの対症療法を行い,経験を蓄積することで死亡率低下という成果を上げることができた1).その方向での進歩は現在も続いてるが,次に期待されているのは重症児者の合併症を予防し重症化を防ぐことである1).
本稿では,自身の経験をもとに重症児者の加齢による機能低下の実際を示し,その後に予防的見地からの文献的考察や今後の課題についての自分の考えを述べた.重症児者の成長に伴う変化やリハビリテーションの要点については,すでに優れた総説が多くあり2,3),各論について記された成書4,5)もあるので,ここでは各論的な記載は行っていない.重症児者の原因は多様であるが,以下では周産期脳障害を念頭に話を進めている.また重症児者,特に施設入所重症者の高齢化に伴い,腫瘍,脳出血,心不全などを発症する方が増えているという大問題がある6)が,ここではその点には触れない.
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