連載 何を伝えよう,どう伝えよう:新カリ時代の具体策
精神科実習で学生の認識が変化し行動変容するにいたった指導者のかかわり/学生を受ける時にポイントとしていること
檀原 いづみ
1
,
浦川 芳輝
2
1佐賀医科大学基礎看護講座
2兵庫県立光風病院
pp.78-83
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900714
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護への道を志す若者たちの動機は一様ではないにしても,多少なりとも誰かの役に立ちたいと思い志願してきた人が大部分である★1。しかし,人とかかわるという看護の学習段階(臨床実習)で,対人関係に悩み,自らの学習に支障をきたす学生がいる。その悩みを解決できずに過ごしている学生は,日頃から表情が暗く,教師には心を閉ざしている。このような学生の精神科病棟実習を,兵庫県立光風病院の浦川看護師長の病棟に意図的に依頼した。そこで5日間の実習を終えた学生は,とても穏やかな表情になり,教師にも少しずつ心を開くようになり,自信が持てるように変化した。
日本の代表的な教育学者の一人である林竹二は,「学ぶ」ということについて「学んだことの証は,ただ一つで何かが変わることである」と述べている★2。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.