研究
排泄物および排泄の援助からみた看護学生の認識と行動の変容—2年課程の入学時と卒業時の違い
波多野 梗子
1
,
村田 恵子
2
1日本女子体育大学
2元:関東労災高等看護学院
pp.393-404
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200303
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はじめに
現行の看護教育は,従来の経験主義と疾病中心のあり方から脱し,看護活動の科学性と自主性,および対象に対する人間中心的なアプローチを追求する看護者の育成へと方向づけられている。わが国でこのような教育が開始されて以来すでに今年で3回目の卒業生を出したが,まだその成果を多面的に評価し,教育の妥当性を裏づけ,もしくは,問題の所在を指摘するような調査はあまりない。
ことに,看護教育では,単なる知識でなく,具体的な場面への基本的な原理を応用し,それを援助に生かす能力を扱わなければならないために,その評価はきわめて困難である。筆者らが,「排泄に関する認識および排泄の援助に対する認識と行動」をしらべるための質問紙調査表を作成したのは,この困難な分野になんとか切り込みたいと考えたからであった。これは,多様な設問を含んでいるが,多くは自由記述式の回答を求めるもので,排泄物に対する見方が科学的なものになっているかをさぐるとともに,日常的および病院での排泄にからんだ看護場面を設定し,適切な状況判断と処置がとれるかをみようとしたものである。
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