レポート
児童・思春期病棟で技術を共有するには
山口 敬
1
1東京都立小児総合医療センター
pp.580-584
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200686
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自分で掘り返さなければ技術が獲得できない精神科
精神科の看護師は「10年でやっと1人前」と言われるように、その看護技術は獲得することが困難なものである。新人は、熟練看護師に備わっている能力を明らかにしたいと、質的研究*1やガイドライン*2を読み込み、謎に挑もうとしたりもする。ただ、理解と実践はまた別であり、わかっていてもうまくいかない。疾患の理解ができても患者さんとのやり取りが理解できない、という状態に陥ることはしばしばある。対人関係において生じる感情をどう処理するかが、看護実践の卓越性に関連する要因である*3ともされている。
ただ精神科実践のやや怖いところは、一看護師がそのような状態であっても、病棟というチームがある程度成熟していれば、なんとなく毎日をこなせてしまうところである。
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