特別記事
—貧困により住まいを失ったセクシュアルマイノリティをサポートする—LGBTハウジングファースト
金井 聡
1,2
1一橋大学大学院社会学研究科博士課程
2LGBTハウジングファーストを考える会・東京事務局
pp.572-575
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200684
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セクシュアルマイノリティの貧困とはどのようなものか
LGBTハウジングファーストプロジェクトは、生活困窮を理由に住まいを失ったLGBT当事者(主にゲイ・バイセクシュアル男性やトランスジェンダーの方)へ、ハウジングファースト★1の考え方に基づき、安心して居住できる場所を提供する支援をしています。
住まいを失った人たちが宿泊するために利用できる支援としては、更生施設や民間の無料低額宿泊所などがありますが、それらは一般的に、相部屋であるなどプライバシーが十分に守られる住環境にないことが多く、同性からのいじめや暴力を受けたゲイ・バイセクシュアル男性が心理的な負担をかかえたり、トランスジェンダー当事者が、ご本人が望むのとは異なる性別での入所を余儀なくされることもあり、これらが社会復帰に向けて妨げとなることもあります。
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