連載 リエゾンナースである私が、自分史上最も困難を感じたケース・1【新連載】
本当は歩いてる? 下肢の痛みが消えない人
武用 百子
1
1和歌山県立医科大学看護キャリア開発センター
pp.150-155
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200592
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リエゾンナースが対象とする患者さんの特徴
私はこれまで、“死”を考える多くの患者さんにかかわってきました。例えば、二度目のがんの再発で生きることすら考えられなくなった患者さんに、「それほどつらいと、死にたくなることはないですか?」と尋ねると、「よくわかったね……」と、床頭台から首を吊るためのロープを見せてくれた方がいました。それは「自分は自殺を考えている。がんで生きていても仕方がない。家族に迷惑をかけるのはこれ以上ごめんだ」という苦しい気持ちを理解してほしいというメッセージでした。
さまざまな苦悩をかかえる患者さんは、時にそれらから目を背けたくなるものです。私たちリエゾンナースは、苦悩を患者さんが1人でかかえるのが困難な場合に、共に考え、苦悩を軽くする対応をしていきます。
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