連載 多文化社会NIPPONの医療・20
「消えた」外国人が救急外来を受診するとき
堀 成美
1
1国立国際医療研究センター国際診療部
pp.380-381
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210963
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年々増加している外国人のカテゴリーの一つである「留学生」は,訪日客と同じように,誘致のための数値目標が政府によって掲げられている.2008年に「30万人」と設定されて以降,日本人の18歳人口が減少するなか経営の厳しい各大学も留学生確保に熱心に取り組んでいるが,学生数の増加が著しいのは日本語学校である.ただし,統計の数値を理解するためには注意点もある.2010年にはそれまで別に存在していた日本語学校や専門学校の就学ビザを,大学や大学院の留学ビザに統合しているからである.2019年1月に文部科学省が発表した2018年の留学生数は298,980人,前年比で31,938人(12.0%)増となった(図1).目標の30万人まであとわずかとなったタイミングで,次のような報道があった.
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