特別記事
—自閉症スペクトラムの特性が強い患者さんへの看護【後編】—知的障害が併存し、暴力があり、長期隔離処遇が続いていたケースが退院に至るまで
山下 隆之
1
1医療法人資生会八事病院
pp.156-165
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200593
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前編(2019年1月号)では、自閉症スペクトラムの特性が強い患者さんが精神科病院に入院に至る要因として3つのパターンを見出し、それぞれの看護のポイントを伝えた。後編となる今回は、自閉症スペクトラムに知的障害を併存し、暴力があり、長期の隔離処遇を受けていた、いわゆる処遇困難事例と言われる患者さんが退院に至った経過を紹介しながら、看護のポイントをまとめたいと思う。
暴力がある場合、看護者は日々の対応に追われてしまい、先を見据えて目標を持つことができにくくなる。事態が進展しないと無力感やジレンマにとらわれ、精神科看護の限界を試されているように感じる。しかし、だからこそ処遇困難事例の患者さんが退院できた時は、充実感を持ち、精神科看護に新たな可能性を見出すことができる。
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