特集 「委員会、このままでいいの?」—専門看護師にうまく機能するまでの経緯を聞きました
倫理委員会
川田 陽子
1
1医療法人清心会八尾こころのホスピタル
pp.224-229
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200472
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臨床で“もやもや”と出合う
看護師になって最初に配属された病棟は精神科老人病棟でした。ADLが低下し、食事・排泄・個人衛生など「日常生活行動全般が全介助」の患者さんも多くいらっしゃいました。
初めは仕事を覚えるのに必死の毎日でしたが、そのうち「患者さんの意思はどこにあるのだろう。本当にこのケアで大丈夫なんだろうか」と考えるようになりました。一日中食事も摂ろうとせず独語を繰り返している患者さん、拘縮が進んで失禁時のおむつ交換ですら骨折のリスクになる患者さん、見たものすべてを口に入れてしまい何度も窒息しかけている患者さん……そうした意思疎通が難しい患者さんと日々接するなかで、もやもやした思いが私のなかで膨らんでいきました。その後、開放病棟に異動になったのですが、開放病棟ですらタバコは1日何本まで、ラジオ体操は全員参加など日々細かくルールが決まっていて、患者さんたちは時々不満を言いながらも守ってくれていました。
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