特集 看護と生命倫理の現在
倫理委員会における看護婦の役割
星野 一正
1,2
1京都大学医学部
2日本生命倫理学会
pp.594-597
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904303
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はじめに
最近,わが国においても「医療の倫理」が話題に上がることが多くなり,国民的関心が高まってきている.出生をめぐる問題としては,体外受精,顕微受精,代理母など不妊患者への福音となるべき新しい医療行為がもたらした難しい倫理問題や,出生前診断と先天異常,遺伝子診断と遺伝子治療,人工妊娠中絶の是非など,人間の存在そのものに関する哲学に基づいた深刻な問題を含む生命倫理がある.
一方,終末期医療をめぐっては,告知の問題,植物状態患者や脳死者の取り扱い,生命の神聖性か生命の質のいずれを取るか,リビングウイルと尊厳死,慈悲殺と安楽死,臓器移植,骨髄移植,その他の先端医療,致死的疾患であるエイズや他の難病患者などをめぐる生命倫理的対応など,臨床における生命倫理的問題は山積している.
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