院内倫理委員会・8
都立病院の倫理委員会
包國 浩
1
1東京都衛生局病院事業部経営企画課
pp.1042-1043
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902262
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「この患者にとって最善の医療とは何か」—個人の価値観が多様化する中で,この間に的確に応えていくことは容易ではない.とりわけ救急医療や末期医療の現場では,宗教上の理由による輸血拒否,意思決定能力を欠く患者への対応,人工呼吸器の着脱,がん告知など患者のQOLをめぐって医師が判断に悩む事例は少なくない.都立病院も例外ではなく,こうした問題に日常的に遭遇し,そのたびに医療従事者はジレンマを感じてきた.
「個人のみの判断でよかったのか」,「もっと立場の違う意見も集約すべきではなかったのか」,「今後,医療者だけの規範で対応しきれるのか」—そんな思いから出てきた要望が,倫理委員会の設置である.
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