書論
もしもSMAPのマネージャーが伊藤絵美の『ケアする人も楽になるマインドフルネス&スキーマ療法』を読んだら
東畑 開人
1
1十文字学園女子大学
pp.70-73
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200320
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ポサルとマインドフルネス
マインドフルネスのことが気になっていた。仏教の瞑想由来だとか、Googleの社員が「心を鍛える」ためにやっているとか、ヨガ・スタジオで流行っているとか、入ってくる断片的な情報から、意識高い系の人がハマっている新手の怪しげな癒しではないかと疑っていたのだ。
「怪しげ」となると、私は俄然、心を奪われてしまう。この前も、家族で済州島に旅行に行っていたのだが、気づけば家族からはぐれて、地元のまじない師「ポサル」の小屋に入り浸っていた。「ポサル」は「菩薩」から転じた名前らしく、ピンク色の照明の下には謎の仏像や神像がいっぱい飾られていたので、あまりに怪しくてゾクゾクした。細木数子に激似のポサルに怪しい占いをしてもらって、そのあと世間話に興じていたら、あっという間に帰りの飛行機の時間になった。
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