Japanese
English
増刊号 腎代替療法のすべて
【第5章 腹膜透析】
7 SMAP(Stepwise initiation of PD using Moncrief and Popovich technique)法のメリットとデメリット
Advantages and disadvantages of stepwise initiation of peritoneal dialysis using the Moncrief and Popovich technique
伊藤 靖子
1
,
寺脇 博之
1
Ito Yasuko
1
,
Terawaki Hiroyuki
1
1帝京大学ちば総合医療センター第3内科(腎臓内科)
キーワード:
腹膜透析(PD)カテーテル
,
SMAP法
,
腹膜透析関連感染症
Keyword:
腹膜透析(PD)カテーテル
,
SMAP法
,
腹膜透析関連感染症
pp.384-386
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000464
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)療法継続に当たり,PDカテーテル関連感染症はPD療法脱落原因の多くの割合を占めている1)。PDカテーテル関連感染症の原因は,細菌の出口部から皮下への侵入と,バイオフィルムの形成にあるとの報告2)がなされており,感染予防の見地から考案されたPDカテーテルの挿入方法として段階的PD導入法,通称SMAP(Stepwise initiation of PD using Moncrief and Popovich technique)法がある。SMAP法は1991年にMoncriefとPopovichが報告した,PDカテーテルの留置時に出口部をつくらず,腹腔にPDカテーテル挿入のうえ,皮下に埋没させて,数週間後にカテーテルの出口部を作製してPDを開始する方法であり3),皮下へのカテーテル埋没を行うことで無菌的に皮下トンネルが形成されるため,カテーテル感染症の予防が期待できるとされた2)。わが国では,1999年に窪田らによって紹介され4),現在ではPD導入患者の約25%でSMAP法が用いられていると考えられている5)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.