小さな工夫
腹膜透析カテーテル留置術(SMAP法)における1mlシリンジを用いた簡便なカテーテル閉塞法
植木 常雄
1
,
片山 昭男
2
1増子記念病院泌尿器科
2増子記念病院移植外科
pp.81
発行日 2010年1月20日
Published Date 2010/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101890
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SMAP法は計画的腹膜透析導入を可能とし,末期腎不全医療において普及した術式である。SMAP法で腹膜透析カテーテルを埋没する際,外側のカテーテル先端を閉鎖する必要があるが,専用の材料がなく,各施設で独自の材料を用い,種々の方法を工夫されていると推測する。当院ではカテーテル内腔に1mlシリンジ(ツベルクリン用注射器)のガスケットを挿入し,簡便にカテーテル先端を閉塞しており,SMAP法において有用な方法であると考えられるため報告する。
手術方法は,カテーテルを腹腔内に留置し,皮下トンネルを形成した後,いったん創外に引き出す。カテーテルにヘパリンを充塡し,カテーテル内腔に1mlシリンジのプランジャーを2cm程度挿入し(図1),ガスケットのみをカテーテル内に残し,カテーテルを閉塞する(図2)。糸による結紮は行わず,そのままカテーテル先端を皮下に埋没する。出口部作成術の際にはカテーテルを指で圧迫するとガスケットは容易に除去できる。
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