焦点
―知っておいて損はない!―排尿ケアのタブーと使えるケア道具
伊神 敬人
1
1豊田西病院
pp.30-35
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100966
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オムツを最初に選択することに疑問
准看護師免許を取得し、看護師になるために看護学校で勉強しながら働いていた頃のことです。精神科病院の慢性期病棟で、尿失禁をくり返す男性患者さんがいました。毎晩、布団や衣服を濡らしてしまうため、対応に困り果てた看護師はカンファレンスの結果、オムツを着用してもらうことにしました。患者さんも納得し、就寝前にオムツを着用することで、布団を濡らすことはなくなりました。
しかし、患者さんとしては不安を募らせる毎日だったようで、私に、「このまま、オムツを履いて死んでしまうのかな?」「いつになったらオムツがとれるの?」と訴えてきたのです。私は、衝撃を受けました。排泄障害で困っている人に対し、何に困っているのかを聞くこともせず、初めからオムツを選択してしまったことに、初めて疑問を感じたのです。
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