焦点
男性看護師の「キャリアデザイン」について研究した理由
佐久間 和幸
1
1千葉市立海浜病院
pp.46-52
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100969
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女性の職業?
看護士になりたい! そう思ったのは私が小学生の頃のことです。小さい頃から病弱だった私を、両親はよく病院へ担ぎ込んでいました。ある日、虫垂炎で入院して手術をすることになりました。小さかった私は、手術が不安で、恐ろしくてたまりませんでした。そんなとき、「白衣の天使」小川ナースに出会うことができたのです。笑顔が素敵でいつも優しく、そして元気いっぱいに対応してくれました。自然と私は、「大きくなったら看護婦さんになりたいな」と周囲に話していました。小川ナースは私に、「和ちゃん! 男の人は看護士さんになるんだよ」と教えてくれ、初めて「僕も看護婦さんになれるんだ」と思ったのでした。
その漠然とした夢を決定的にしたのが、祖母の介護体験でした。今考えるとあの頃は介護保険制度もなく、母は過酷な状況の中で介護をしていたと思います。そして、祖母の最期を自宅で迎え、「もし僕が看護士なら……祖母をもっと長生きさせられたのかな」という後悔の念から、改めて看護士になろうと決意しました。
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