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連載 「地域に帰るため」の病院建築・5
病棟のしつらえ―調度品・床・材質~タブーへの挑戦
Interior
鈴木 慶治
1
Keiji Suzuki
1
1共同建築設計事務所
pp.80-88
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100148
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若い頃、「患者さんに対する拒絶反応が一番強いのは、医者と精神病院をつくる設計者である」という活字を見たことを記憶している。精神科病院といえばさまざまな制約があり、ないないづくしの殺風景なインテリアが定番であった。設計者も管理者側から最悪の事態をいつも聞かされ、これに耐え得る建築をつくらなければならないということで、病棟の環境云々を語る間もなく、その機能を納めることに躍起になってきた。それが精神科病院をつくることであると了解せざるを得なかった。
患者さんやその家族が、入院治療を希望して病棟を見学したらショックを受けて帰ってしまった……という話はよく聞くところである。機能的には充足し、スタッフが一生懸命患者さんを助け努力をしているのに、患者さんから見ると「治療を受けるためにふさわしい場所になっていないと感じる」ということである。
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